芭蕉布を売りたいのであればどこで売るのが良いのでしょうか。また、芭蕉布はどれくらいの相場で買取してもらえるのでしょうか。
家の中に芭蕉布の着物が眠っている人には気になる情報ですよね。
そこで、今回は芭蕉布の買取価格について調べましたので参考にしてください。
また、芭蕉布がどんな特徴を持った着物なのか、高く買い取ってもらうためのポイントも説明していきます。
最後まで読んで頂けましたら幸いです。
芭蕉布とは
芭蕉布とは、バショウ科の常緑多年草である糸芭蕉から作られる織物で、国の重要無形文化財に指定されています。
糸芭蕉は沖縄や奄美大島といった温暖な気候の場所に生えており、芭蕉布は沖縄と奄美大島の特産品です。
また、沖縄本島北部で作られている「喜如嘉の芭蕉布」は有名で価値が高くなっています。
芭蕉布の特徴
芭蕉布の特徴は線維が丈夫であるとともに、軽くて通気性が良いということです。
肌にまとわりつかない素材のために暑い夏に着用しても不快に感じにくく、夏用の着物や帯に用いられてきました。
最近では、バッグ・帽子・財布・トートバッグ等にも用いられています。
芭蕉布は希少な織物
芭蕉布を一反織るのに200本程度の糸芭蕉が必要になる上に、完成するまでに2か月程度の期間を要します。
さらに、糸芭蕉は第二次世界大戦末期に沖縄を占領したアメリカ軍によって相当数が切り倒されました。
一時は絶滅の危機に瀕したほどの植物で、現在も数が多いとは言えません。
これらの理由によって、芭蕉布は市場に出回ることが少ない希少な織物です。
芭蕉布の買取相場
芭蕉布は希少価値があるだけでなく需要が高いために、買取価格は比較的高くなります。
買取価格は、「保存状態」「証紙の有無」「作家が誰なのか」「技法」といった様々な要素に左右されます。
芭蕉布と平良敏子
人間国宝の平良敏子さんの作った芭蕉布であれば状態が良ければ10万以上の価格で買取してもらえます。
平良敏子さんは昭和49年に喜如嘉の芭蕉布が国の重要無形文化財に指定され、自身も平成12年には人間国宝に認定された沖縄を代表する着物作家です。
平良敏子さんの作る芭蕉布の特徴は、従来の芭蕉布の良さを残しつつ新しい試みを取り入れた作風を持ち味としています。
芭蕉布買取相場の目安
それでは芭蕉布の買取相場を確認していきましょう。
あくまで目安にはなりますが、着物の場合は5千円から8万円程度が買取相場です。
ただし、人間国宝の平良敏子氏の作品は別格であり、10万円以上の価格が付けられることが多く見られます。
芭蕉布の買取相場 | 5千円から8万円 |
---|---|
平良敏子の芭蕉布 | 10万円以上 |
芭蕉布の査定ポイント
芭蕉布の査定ポイントになるのは、「状態を確認」「証紙の有無」「小物もセットになっているか否か」です。
芭蕉布の着物の状態を確認
芭蕉布の査定ポイントとして、最初に確認するのは「状態の良さ」です。
汚れ・破れ・シミ・色落ち等がある場合はマイナス評価になり、買い取ってもらえたとしても低い価格になります。
日頃から細やかな手入れを行い綺麗な状態に保つようにしておくことでプラス評価になり、高い査定が期待できますので、十分気を付けておきましょう。
なお、未使用かつ新品であったとしても、箪笥にしまったままにしておくと、カビが生えたり、シミが発生したりすることがあります。
定期的に陰干しをする等といった日頃の手入れを怠らないようにしましょう。
芭蕉布についている証紙の有無
続いて芭蕉布についている「証紙の有無」も重要です。
証紙とは、着物の品質・織元の名前・産地の登録商標等が記載されている紙で、芭蕉布の価値を示す証明書に当たります。
証紙があると査定にプラス評価になります。
芭蕉布購入時に付属品としてもらえますので、うっかり捨てたり無くしたりしないように気を付けて保存しておきましょう。
特に人間国宝の平良敏子さんの作品の場合は、証紙があることで高額の査定になる傾向にあります。
小物もセットになっているか
最後に「小物もセットになっているか」という事も大切です。
着物だけでなく付属品の和装小物がセットになっているとプラス評価に繋がります。
着物買取業者の多くは着物だけでなく、帯や足袋等があれば一緒に買い取ってくれます。
その際に、着物を単体で売却するときよりも着物の査定額をプラスしてくれる事があるのです。
手元に和装小物があれば、芭蕉布と一緒に買取査定を行ってもらいましょう。
まとめ
芭蕉布は沖縄の代表的な織物です。
希少な糸芭蕉が200本程度必要になり、完成するまでに2か月程度の期間を要します。
特に人間国宝の平良敏子さんが作った芭蕉布は高級品で10万円以上で買取してもらう事が可能です。
芭蕉布を高く買取してもらうには、状態や証書の有無が重要になります。
できるだけ綺麗に保管し少しでも高く買取してもらいましょう。