家紋の入った着物を持っている人はいませんか?
家紋入りの着物を持っているけど、最近は着ていないという人も居るでしょう。
着物をいつまでも保管しておくと、シミや虫食いなど被害に合ってしまう事も考えられます。
家紋入りの着物は買取してもらう事はできるのでしょうか。
今回は家紋入りの着物の買取について調べましたので参考にしてください。
家紋とは
家紋は日本古来の文化で、自らの「家系や家柄」を表す紋章です。
家紋のはじまりは平安時代まで遡り、公家が衣類や調度品、牛舎などに家紋を入れたのが始まりと言われています。
鎌倉時代では武士も家紋を持つようになりますが、家紋が庶民まで広がったのは江戸時代です。
この時代では百姓、町民など様々な階級の人が家紋を持つことが許されるようになりました。
現在では家紋を意識して生活している人は多くないでしょうが、お墓や瓦などに刻まれており、家柄を示すシンボルのような役割があります。
家紋の表現方法
家紋にはいくつかの表現方法があります。
今回は主な家紋の表現方法について紹介をしていきます。
また、家紋の表現方法によっても、格の違いがありますので、家紋を入れる際には注意しておくと良いでしょう。
日向紋
日向紋は紋の形を白抜きにしたもので、通常、家紋というと連想される紋と言えるでしょう。改まった装いには日向紋の五つ紋をつけます。
陰紋
陰紋は紋の輪郭を染めたり、塗ったりして作られる紋です。
輪郭のみが白で染められたり、縫われたりしており、内側は着物の生地の色そのままになります。
縫い紋
縫紋は紋を刺繍で表現しており、染め抜きに比べると略式の紋になります。
洒落紋
洒落紋は遊び心を取り入れた紋で、江戸の歌舞伎役者などが用いたり、無地の着物の模様代わりに入れて、おしゃれを楽しむ方法で使われます。
加賀紋
加賀紋は加賀五彩を用いた家紋で花紋が中心となっています。
家紋入りの着物について
それでは、家紋入りの着物について簡単に説明をしていきます。
家紋の数や入れる場所にはルールがあり、入れ方によって着物の格が異なります。
紋の数で格式が決まる
着物につける紋の数は格によって異なります。
家紋の数は五つ紋、三つ紋、一つ紋の3種類があり、紋の数が多いほど格式が高くなります。
(五つ紋は正装、三つ紋は準礼装、一つ紋は準礼装・略礼装)
留袖と黒喪服は五つ紋と決まりがありますが、それ以外は一つ紋にしておくと使い勝手が良いでしょう。
また紋の大きさは男女で異なり、男性の方が大きな紋を付ける事になっています。
家紋を入れる場所
家紋入れする着物は「黒留袖、色留袖、色無地、喪服」などです。
着物の種類によって家紋を入れる場所と数が決まっています。
例えば五つ紋は背縫の中央に一つ、両外袖に1つずつ、左右の胸元に1つずつの合計5つの紋を入れる事になっています。
三つ紋は背中心と両外袖の3箇所、一つ紋は背中心に1箇所つけます。
家紋入りの着物は買取できる?
家紋はそれぞれの家のシンボルですので、家紋入り着物は買取できないと考えている人が多いと思います。
そこで、家紋入りの着物が買取できるかどうかを確認していきましょう。
家紋入りの着物でも買取可能
結論から言えば家紋入りの着物は買取する事が可能です。
通常の着物と全く同じ条件で買取してくれる業者がほとんどで、家紋の有無は気にしなくても良いでしょう。
今は昔ほど家紋を気にしている人も多くないので、買取価格に影響が出る事はあまりありません。
家紋は消さなくても良い
着物は家紋が入っていないほうが買い手が見つかりやすい為、消したほうが良いと考える人も多いでしょう。
しかし、家紋を消すには専門の業者に頼む必要がありますので、買取価格よりも多くの費用がかかってしまう可能性が高いです。
また、消したとしても綺麗に消えるという保証もないため、家紋は無理に消さずにそのまま買取に出したほうが良いでしょう。
種類によっては買取が難しい
訪問着、振袖などは家紋入りでも買取する事ができますが、喪服は葬儀というデリケートなシチュエーションで着用される着物です。
葬儀には沢山の親類の方がいらっしゃるため、他の家の家紋が入った喪服を着用するのは好ましい事とは言えないでしょう。
その為、家紋入りの喪服は需要が低下するため、買取が難しくなるという事を認識しておきましょう。
まとめ
今回は家紋入りの着物について紹介をしていきました。
通常の着物と同様に家紋入りの着物は買取できます。
今は家紋の有無を気にしている人は多くないので、通常の着物と同じくらい需要があるのです。
着物の買取業者でも、家紋の有無で買取価格の差がつくことはありませんので、気にせずに買取してもらうと良いでしょう。