家の中に絞りの着物はありませんか?
特に「総絞り」の着物は価値が高く、高額で買取してもらえる可能性があります。
せっかく価値のあるき物も保存状態によっては価値が下がってしまいます。
もし絞りの着物が家の中にあり、持て余しているのであれば着物の買取業者に売ることを検討してみてはどうでしょうか。
絞りの着物がどんなものかわからない人の為に「絞り」についての情報も掲載していますのでよろしければ参考にしてください。
絞りとは?
絞りは、染めの技法の1種です。
6世紀~7世紀に誕生し、1000年以上にわたって日本人に愛されてきました。
布を染料に浸漬させる前に、糸で加工し、染まらない部分を作ることによって、ボリューム感がある見た目に仕上がります。
江戸時代、絞りの着物は権力や富の象徴として人々に認識され、大流行していました。
名だたる武将らが競うように絞りの着物を身につけていました。
しかし、あまりにも高級志向が強い武将が増加したため、幕府は絞りの着用を禁止しています。
一時的に着用が禁じられていましたが、明治時代以降は誰もが自由に絞りを纏えるようになりました。
絞りの着物は、高級感があり、華やかな見た目のため、幅広い年代の女性から支持を得ています。
おめでたい席にピッタリの和装です。
卓球選手の福原愛さんが結婚会見に登場した折には、絞りの着物を着用した姿が話題になりました。
絞りを作るのは手間暇がかかる
和装の中でも、絞の着物は特に手間暇がかかっています。
複数種類の特殊な技法を駆使しなければならず、卓越した技術が必要です。
例えば、糸で布をくくる工程においては、図案に基づいて10万~30万カ所をくくらなければなりません。
職人たった1人で1枚の着物を作っているため、完成までに長い年月がかかります。
熟練者が約3年間を費やして仕上げるケースが一般的です。匠の技が凝縮された逸品のため、値段が高いものが多いです。
高級感だけでなく、バリエーションが豊富な点も絞りの着物の特徴の1つとなっています。
絞りは、模様を表現する方法が多岐にわたっており、凹凸・シワ・うねりを布に加えられます。
模様1つ1つが立体的なため、インパクト大です。
絞り染めの着物も浴衣も最高級品です。披露宴や祝賀会など、特別なイベントに出席する時に重宝します。
格式が高いレストランも絞りを纏っていれば、問題ありません。
絞りの買取相場
絞りの着物の買取相場を把握する際には、自身が所有している絞りの種類を確認しておきましょう。
絞りの着物は、大別すると京絞りと地方絞りの2種類があります。
京都発祥の京絞りは、フォーマルなシーンで身につけるタイプが多いです。
一方、大分県や愛知県で誕生した地方絞りは、カジュアルな装いを楽しむ際に有用です。
それぞれ着用する用途・目的が異なっており、買取価格に差異があります。
では、実際どれぐらいの値段で取引されているのでしょうか。
京絞りの買取相場
京絞りは、贅沢な仕様を追求して作られている超高級品です。
買取相場が20万円~50万円程度です。
絞り染めを着物全体に施したものは、作り手の思いが込められた最上級の一品です。
中でも、京鹿の子絞りは、熟練の技術と長い年月を投入しなければならないため、贅を尽くした着物として好事家から高く評価されています。
特に、京鹿の子絞りの1種である疋田絞りは、買取価格が跳ね上がりやすいです。
買取相場が50万円前後です。
絞りの種類 | 買取相場 |
---|---|
京絞り | 20万円~50万円程度 |
疋田絞り | 100万円以上 |
いずれの京絞りも売却する人が非常に少ない上に、中古市場に流通している製品が僅かなため、高い値段で売却できるでしょう。
査定の結果、芸術的な価値が認められれば100万円以上の値がつくケースは少なくありません。
地方絞りの買取相場
もう1つの地方絞りは、ラフなファッションに用いられる着物のため、京絞りよりも買取価格が低いです。
しかし、京絞りと同様に、職人が丹精込めて作っています。
そのため、浴衣の中では、ランクが高く、買取価格が高額です。
一般的な浴衣は買取相場が200円~1000円程度ですが、地方絞りは5000円~2万円程度です。
絞りの種類 | 買取相場 |
---|---|
地方絞り | 5000円~2万円程度 |
因みに、デザインによって、値段が変動する傾向があります。スタンダードなデザインは買取価格が高額になりやすいです。
反対に、奇抜なデザインや色の浴衣は、流行に左右されてしまうため、高値での売却を望みにくいでしょう。
また、絞りの技法も査定に影響しています。凹凸が多い仕様は着物愛好家に人気があるため、プラス査定を期待できます。
尚、浴衣を売却する折には、時期を見極めることも重要です。
浴衣の使用頻度が増える前、5月~6月は中古市場で需要が高まるため、他の時期よりも高値がつきやすいです。
日本製の絞りは高値が付きやすい
絞りは、日本古来の伝統的な衣装ではあるものの、1900年代後期から日本国内での生産数量が著しく減少しています。
多大な労力を要するため、中国をはじめとするアジア諸国に生産を委託しているケースが多いです。
そのため、日本国内で流通している絞りの大半は、海外で作られた製品です。
海外製は日本製と同様に手間暇をかけていたとしても、買取価格が低くなる傾向があります。
高値がつきやすい絞りは日本製です。
但し、たとえ日本製でも、機械で大量生産した絞りは価値が低いです。
職人が手作業で仕上げていなければ、買取価格の増額は難しいです。
専門業者に買取を依頼する場合には、絞りの技法が記された証明書を揃え、査定額アップに努めましょう。
まとめ
絞りは1000年以上にも渡って日本人に親しまれてきた伝統技法の一つです。
絞りの着物は手間がかかっており、熟練者が作った絞りは高級品なのです。
絞りの買取相場は「京絞り」「地方絞り」と絞りの種類によって大きく異なります。
もしを売るのであればお持ちの着物がどちらの絞りなのかを確認しておくと良いでしょう。
着物買取比較ナビではおすすめの着物買取業者を紹介していますので参考にして頂けましたら幸いです。