「着物にシミができてしまった・・・。」「食べこぼしで汚してしまった」そんな時はクリーニングに出してシミ抜きしてもらうと言う人も多いでしょう。
汚してしまった着物はできるだけ早めに対処する事で汚れを落とす事ができます。
また、油汚れと水溶性の汚れでは落とし方も異なりますので適切な方法で汚れを落としましょう。
今回は自分でできる汚れ落としから、シミ抜きのクリーニング相場について説明をしていきます。
着物のシミ抜きは自分でできる?
着物の汚れは種類ごとに適切に対処する事で、軽度な汚れであれば落としていく事ができます。それでは、汚れの種類ごとに簡単な対処法を説明してきます。
高価な着物や装飾のある着物はクリーニングに出す事をおすすめします。
また、これから紹介する方法は生地を傷める可能性があります。
実践する際は自己責任でお願いします。
水溶性の汚れのシミ抜き
水溶性の汚れとは主に、着物に付いた「ジュースやスープ、汗」などの汚れの事です。
これらの汚れは水に溶けやすい汚れですので、中性洗剤などで落としていくのが基本です。
シミやカビの原因になる事もありますので、早めに落としてく事が重要です。
それでは水溶性の汚れのシミ抜き方法について説明をしていきます。
中性洗剤を薄めて落とす
まずは、ぬるま湯と中性洗剤を準備しましょう。
ぬるま湯(30度〜40度程度)は洗面器などに溜めておき中性洗剤を加えていきます。
中性洗剤は20倍〜30倍程度に薄めて使います。
着物を広げて、その下に厚手のタオルを引いておきましょう。
続いて、中性洗剤を入れたぬるま湯にタオルを入れて固く絞ります。
絞ったタオルをシミの上からトントンと叩いて汚れを取っていきます。
こすったりすると汚れが伸びたり、生地が傷んでしまうので注意が必要です。
下に敷いたタオルに汚れを移すイメージで叩いて汚れを落としていくと良いでしょう。
ある程度汚れが落ちたらハンガーに掛けて1日程度干してしっかりと乾かしていきます。
油汚れのシミ抜き
油汚れとは主に「皮脂やファンデーション、マヨネーズなどの食べ物の油分」などが該当します。
これらの汚れは水には溶けないため、有機溶剤で落としていくのが基本になります。
自分でシミ抜きするのであればベンジンを使用して落としていきます。
ベンジンを使って落とす
ベンジンは石油から作られた有機溶剤で、油汚れを落とす事ができる液体です。
薬局などにも売っており、昔から使用されている馴染み深い溶剤の一つです。
油汚れを落とすには水溶性の汚れを落とす際と同じように、着物の下にタオルを敷いて汚れを移していく方法でシミ抜きをします。
ベンジンは水に薄めたりせずそのまま使います。
強い溶剤ですので、直接手では触らず、ゴム手袋などを使用し、メガネなどをかけて目に入らないように注意しましょう。
また、着物の変色の可能性がありますので、目立たない箇所でテストしましょう。
油汚れの上からベンジンの染み込んだガーゼで、トントンと叩いて下に引いているタオルに汚れを移していきます。
汚れが落ちたら、ハンガーにかけて乾かしていきましょう。
ベンジンの使い方についてはこちらの記事も参考にしてください。
→ 着物を手入れして少しでも長持ちさせよう
頑固な汚れはクリーニング
頑固な汚れや大切な着物は自分でシミを落とすよりもクリーニングに出したほうが良いでしょう。
クリーニングに出すことで生地を傷めたり、変色してしまうリスクを減らせます。
着物のクリーニング専門にしている業者もありますので、プロの技術でシミや汚れを綺麗に落としてもらいましょう。
クリーニング費用とシミ抜きは別
クリーニングに出す事で汚れをしっかりと落としてもらう事ができます。
染み込んだ汗や、皮脂などの油汚れなどは専用のオプションを付ける事でより綺麗に落としてもらう事ができます。
特に、汚れがひどい箇所やシミになってしまった場合は、普通にクリーニングするだけでは汚れを落としきれない場合がありますので、オプションサービスの利用も検討してみましょう。
シミ抜きのクリーニング相場
着物専用クリーニングの主なシミ抜きサービスの相場について紹介をしていきます。
アライバは汚れの種類ごとに値段が異なります。
わ蔵は軽度のシミと、変色したシミでは料金が異なりますので、できるだけ軽度のうちにクリーニングに出しておくと良いでしょう。
きものトトノエは別途見積もりになりますので、実際に見てもらうまでは金額がわかりません。
サービス名 | シミ抜き価格 |
---|---|
アライバ | 汗抜き:2900円 ファンデーション汚れ落とし:1900円 カビ取り:9900円 |
わ蔵 | 軽度のシミ:4,000円~ 変色したシミ:10,000円~ |
きものトトノエ | 別途料金見積 |
まとめ
今回は着物のシミ抜きについて説明をしていきました。
軽度な汚れであれば、自分でもある程度落とすことができますので、紹介した方法を試してみると良いでしょう。
生地の奥まで染み込んでしまった汚れがある場合や、高価な着物、大切な着物などは自分でしみ抜きする事はおすすめしません。
早めにクリーニング店に相談してしっかりと汚れを落としていきましょう。
自分にあった最適な方法で汚れを落とし、いつまでも綺麗な着物を着られるようにしましょう。