結城紬は茨城県を発祥の地とする高級着物です。
「昔は着ていたけどもう着なくなった結城紬」や「家族が着ていたけど必要なくなった」といった結城紬が家の中に置いてあるという人も入るのではないでしょうか。
結城紬は高級な着物ですからうまく行けば高額な価格で買取してもらう事もできるでしょう。
そこで結城紬の特徴やどんな物が高額買取してもらえるのか。また買取相場を紹介していきますので参考にしてください。
結城紬とは
美しい絣文様と温かみのある素朴な風合いが特徴の結城紬は、高価な着物として幅広く知られています。
結城紬には、奈良時代に朝廷に献上されていたという古い歴史があり、代々受け継がれてきた制作技法が国の重要無形文化財に指定されています。
結城紬の産地は、茨城県の結城市や隣接する栃木県の小山市など、鬼怒川沿い約20kmの範囲です。
もともとこの地域は、肥沃な土地を利用して養蚕が盛んにおこなわれていました。農閑期の仕事として紬を作ったのが結城紬の始まりと言われています。
結城紬の特徴
結城紬には手織りと機械織りの2種類があります。
買取相場が高いのは、昔ながらの技法で作られた手織りの結城紬です。
手織りの結城紬には、縦糸と横糸の両方に手つむぎ糸が使われており、これは、全国にある紬の中でも結城紬ならではの特徴になっています。
また、この手つむぎ糸には撚りがかかっていません。糸に空気が含まれているため、結城紬の着心地はとても軽く、真冬でも温かいと評されています。
結城紬ができるまで
結城紬ができるまでの作業工程としては、繭をじっくり煮込み柔らかくした後、広げて真綿を作ります。
その真綿から手でつむいだ糸で反物を織りあげていきます。
全行程が手作業でおこなわれるので、手の込んだ柄の反物になるほど完成するまでに膨大な時間がかかります。
そのため、熟練した職人が作る細密な模様の結城紬ほど、生産量が少なく高価なものになります。
結城紬は「絣くくり」という技法で作られる
結城紬の絣模様は、「絣くくり」という技法で作られています。
絣の模様が出る部分に糸をくくり、手つむぎ糸の束を染色します。糸でくくられた部分には染料が染み込まないため、それが模様として出ます。
絣くくりはとても手間がかかる技法です。
紬には糸に直接染色する「すり込み染色」という技法が使われることもありますが、絣くくりは重要無形文化財に指定された伝承技法の一つとして結城紬の染色に使われています。
そして結城紬の代表的な模様が、六角形の亀の甲羅のような形をした亀甲です。
この亀甲は、細かさによって80、100、120、160亀甲と分類されています。
数字が大きくなるほど細かい亀甲になり価値が上ります。
結城紬には亀甲の他にも、縞や格子、十字などの模様があります。
絣の主張しない落ち着いた模様は、帯や小物などが合わせやすく、様々なコーディネートを楽しむことができます。
結城紬の格付け
結城紬はとても高級な着物ですが、格式の高さで見ると留袖や訪問着より格下になります。
そのため、公的な場所や結婚式など、フォーマルな席には向きません。
結城紬に限らず、もともと紬は普段着として着用されてきた着物です。
結城紬は、カジュアルなパーティーや食事、お稽古などの気負わない外出着として着るのが一般的です。
結城紬の買取相場
では、結城紬の買取相場はどのぐらいなのでしょうか。
結城紬は種類によって買取相場が違います。
買取相場が高い「本場結城紬」
買取相場が高い結城紬は「本場結城紬」です。
本場結城紬には、反物の端にあるカシャゲという織り始めの部分に、本物の本場結城紬であることを証明する証紙が貼られています。
証紙の内容
証紙の内容としては、本場結城紬の厳しい基準を全てクリアしたことを証明する検査証。
絹100%の真綿手つむぎ糸の使用を証明する証紙、産地を証明する「結」という商標が入った証紙。
そして、織元のロゴが入った「糸とり貴婦人図」と言われる合計4枚の証紙が貼られています。
この証紙には使用した織機の種類や、平織・縮織といった織り方の種類も明記されています。
さらに売却を検討している結城紬に、重要無形文化財と明記されている証紙や箱があれば、高価買取が期待できるでしょう。
本場結城紬の買取相場
買取相場として、証紙がある本場結城紬は3万円~10万円程度、重要無形文化財の本場結城紬なら5万円~30万円程度になります。
また、別の産地で作られた結城紬や機械織りのものは、数千円~3万円程度の買取相場になります。
しかし、買取価格は着物の状態によって大きく変動します。
ひどいシミがあったり、虫食いの被害にあったりしていれば、そのぶん査定が低くなってしまうと考えておいた方がいいでしょう。
また、本場結城紬は大量生産ができないため、希少価値が高くとても人気があります。
そのため偽物も多く出回っています。
古い結城紬の場合、証紙を紛失していることが多いので、正しい査定をしてもらうためには着物専門の査定士がいる買取業者を選ぶようにしましょう。
結城紬の種類 | 買取相場 |
---|---|
機械織りの結城紬 | 数千円~3万円程度 |
証紙がある本場結城紬 | 3万円~10万円 |
重要無形文化財の本場結城紬 | 5万円~30万円 |
結城紬はどこで売ればよいか
着物の買取りはリサイクルショップでもおこなっています。
近所にリサイクルショップがあれば、持ち込んでみようと思う人もいるでしょう。
しかし、買取方法をきちんと確認しないと、リサイクルショップによっては、着物を1枚づつ査定するのではなく、重さで買取りされてしまう場合もあります。
重さ買取価格が決められてしまうと、買取相場は関係ありません。
価値がある本場結城紬であっても重さ分の価格にしかならないでしょう。
着物買取専門店に売る
結城紬を高価買取してくれる所に売りたいと考えているのであれば、着物の知識が豊富な買取業者を利用するのがいいでしょう。
バイセルのような買取業者なら着物の買取実績が多く、専門的な知識を持つ鑑定士が査定してくれます。
出張買取をお願いすれば、着物を店舗に持ち込んだり写真を撮ったりする手間がかかりません。
また、査定後に提示された価格に疑問があれば、その理由について聞くことも可能です。
買取価格に納得したものだけ買い取ってもらえばいいので、ネットの買取業者による出張買取はメリットが多い売却方法だと言えるでしょう。
まとめ
結城紬は茨城県から広まった着物です。
美しい模様と素朴な風合いが特徴の高価な着物ですので、売る際にも通常の着物よりも高く買取して貰えます。
買取相場は機械織りで作られた着物か、手作りで作られた着物かでも変わってきます。
機械織りだと数千〜数万円程度の買取価格になるでしょう。
手織りの結城紬だと、価格があがり数万〜10万円程度で買取してもらう事が可能です。
また、結城紬の買取相場は証紙の有無や着物の状態、買取業者によって異なってきます。
着物を売る前にはしっかりと準備をし、高く買取してくれそうな業者に査定を依頼しましょう。